令和6年NHK大河ドラマ「光る君へ」
大河ドラマは欠かさず見ていますが、来年の大河ドラマもとても楽しみです。始まりましたね!!
平安時代のお召し物が見られて毎回楽しみです。
往年の「源氏物語」ファンとしてはその著者様のお話ですから。(しかもその紫式部役を吉高由里子さん♡さぞや素敵な単衣姿でしょう⇦やっぱり素敵です!)
ドラマとともに「源氏物語」を読む方も増えていますね。
今回は「現代語で読む源氏物語」として人気の作家5名をピックアップいたします。
「現代語で読む源氏物語」
- 与謝野晶子
- 谷崎潤一郎
- 円地文子
- 田辺聖子
- 瀬戸内寂聴
「もっとかんたんに楽しく源氏物語の世界へ」
はこちらからどうぞ➡
今回ご紹介する作家が読み解く作品は、それぞれ「与謝野源氏」「谷崎源氏」「円地源氏」「田辺源氏」「瀬戸内源氏」と呼ばれています。
では、「代表的な作家による『源氏物語』の現代語訳 5選」をどうぞ!
与謝野晶子
現代語訳として世に初めて出版された「源氏物語」
2度にわたり現代語版が出版されています。
初作は「与謝野晶子による源氏物語の現代語訳」
「源氏物語」の現代語訳として世に初めて出版された本です
後世の作家たちの現代語訳に大きな影響を与え、現在でも世の中に普及し続けています。
晩年に訳された2作目は、後世に文学全集や与謝野晶子全集に収録されたり文庫化されています。
現在でも美しい装丁で繰り返し出版されているので、手に取ることができるのが嬉しいですね。
与謝野晶子さんの訳はリズミカルで短文で、主語があるので理解しやすいと言われています。
(※40年ほど前、私には難しくて途中で挫折しました。後記に続く)
谷崎潤一郎
「潤一郎訳源氏物語」「潤一郎新訳源氏物語」「潤一郎新々訳源氏物語」の計3回にわたる現代語訳は総して『谷崎潤一郎訳源氏物語』と称される。
与謝野晶子さん訳とは真逆で、長文で主語がなく「源氏物語」を初めて読む方にはやや難しい印象ですが、谷崎潤一郎さんが追及された(であろう)美しい理想の日本語が読めます。
さぞや「源氏物語」ファンかと思いきや、自身のエッセイ「にくまれ口」では「光源氏や紫式部をどうしても好きになれない」と記されているので不思議!?
これは秘書である伊吹さんの「最も機嫌が悪くなったのは細雪などの自身の作品が源氏物語の影響を受けているという他人の発言を聞いた時だった」というお話から解けました。
(私は「細雪」が谷崎潤一郎さんの小説の初読ですが、「源氏物語」と谷崎潤一郎さんはつながっていると勝手に確信しています)
「源氏物語」を読むのは2回目以降という方におすすめします。
原典のままの訳ということで主語がありません。
まったく初めてという方にはストーリーがつかめず少し難しいかも。
円地文子
「初めて「源氏物語」の世界に入れた」という方が選んだ本
円地文子さん訳の「源氏物語」は個人的に一番好きです。
(というのも、与謝野晶子さんの訳で苦労して円地文子さんにたどり着いた、という過去があるから)
「円地源氏」から「源氏物語」の世界に入った方は多いそうです
私もその一人ですね(当時20才)
情景が浮かぶ文面に引き込まれるように読みました
「男性的」と称されるしっかりとした文体と主語があり、なんといっても文中に注釈がありますので読みやすい(理解しやすい)です。
そして格調が高い文学的な言葉と、女性の内面を心理的に鋭く読み取る美しい文面は引き込まれるものがあります。
(国学者で言語学者である東京帝国大学名誉教授のお父様のもとお育ちになった方ですから…さすがですね。頷けました。)
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田辺聖子
「当代随一の古典の読み手である」と称させる田辺聖子さん
田辺源氏にはおもしろいところが2点
ひとつは「和歌」の扱いです
上記三者の、
- 原文の和歌のまま記載
- 原文の和歌のまま記載した上で注釈を付ける 等
とは大きく違い、田辺聖子さん訳の「新源氏物語」は通常の会話文に直されているのです
そしてもうひとつ
「空蝉」の巻(原典では第3巻)から始まっているんです
「桐壺」の巻(第1巻)からではないんですよ!
そのわけは「田辺本人は光源氏を颯爽とした恋の狩人として登場させたかったため」とのこと
私の年代では知らない人はいない「あさきゆめみし」(源氏物語の漫画版)の作者、大和和紀さんが影響を受けられたということも理解できます
瀬戸内寂聴
現代で「初めての源氏物語」としておすすめされる本
気品あふれる現代語に訳された瀬戸内寂聴さんの「源氏物語」
装丁がとてもきれいです
「です。ます。」の柔らかい語り口でわかりやすい日本語に訳されているため、中学生でも読めると評判です
各末の解説「源氏のしおり」では著者紫式部の本音がちらりと感じられるしかけがあります
そして
難解な言葉や登場人物の系図もついており、初めて「源氏物語」を読む方に優しい!
次の記事でお伝えする角田光代さん訳と瀬戸内寂聴さん訳が、現在では読みやすさで大人気!というのもうなずけます
「源氏物語」の世界にすぐにたどり着ける現代語版でした
以上です。
ご紹介した順に難しい訳になっていますので、初めての方は逆の順で読まれると良いと思います。
いかがでしたか?
初めて読む方も、再読したい方もどうぞ、
「源氏物語」と「光る君へ」の世界を楽しんでくださいね
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。