大事なことほど小声でささやく
森沢明夫さん 作
幻冬舎文庫
≪こんな人におすすめします≫
- 人間ドラマや心温まる物語が好きな方
- 優しい言葉が欲しい方
- カクテル作りに興味がある方
≪あらすじ≫
主人公は、身長2メートルを超える、マッチョでオカマの「ゴンママ」こと権田鉄雄。
経営している「スナックひばり」で、お客さんの悩みに合わせた「特別なカクテル」を作ります。
ゴンママは体を鍛えるために、昼間はジムに通っていますが、そのジム仲間たちが夜な夜なお店に集います。その目的は、悩みに寄り添う名物の「特別なカクテル」と、ゴンママとバーテンダーのカオリさんがそっと小声でささやく、素敵な「カクテル言葉」たちに癒されるため。
個性的な仲間に囲まれて、いつも明るいゴンママですが、時々不安に襲われます。一人で生きていく不安、マイノリティの孤独…
その時、ゴンママを救ったのは、今まで人を励ましたきた、素敵な「カクテル言葉」。つまり、自分の言葉でした。
≪感想≫
読み始めは、軽いタッチのコメディーが続くお話かと思いましたが、後半は涙なくして読めません。
人それぞれが持っている、素敵な一面とそうでない一面。うまくいっているように見えて、それぞれが悩みを抱えている。そんな誰もが癒しを求めて集まったお店の中で、ゴンママはまるで降り注ぐ太陽の日差しのように暖かく、そっと背中を押してくれます。
けれど、日差しには影があります。ゴンママもやっぱり悩みがあり、ひとり苦しんで…
そしてこの悩み、苦しみから救われるのが、ラストのストーリーです。自分が過去に人を励ました言葉に、自分が救われていくシーンでここまでの回収がなされ、素敵なラストシーンを迎えます。ますますゴンママのファンになりました。ゴンママもですが、ますます森沢明夫さんのファンになりました。
「言葉の力って、やっぱりすごいんだよね」って、インスタブラムで仲良くなった森沢明夫さん大ファンの方もおっしゃっていましたが、本当にそう思います。口から発した言葉が相手を元気にして、発した本人の脳に響いて、自分自身も元気になる。
森沢明夫さんの描く世界に触れるたび、人に対する優しさを大切にしたいと思います。
そしてこちらの物語も、心に書き留めておきたい言葉が、たくさんみつかる本という点でもおすすめです!
ゴンママに会ってみたいな。話をしてみたいな。私もこんな人になりたい!と思う読者さんが多いのもうなずけます。
≪読後におすすめ≫
- キッチン風見鶏
- 水曜日の手紙
- 本が紡いだ五つの奇跡
- 虹の岬の喫茶店
- おいしくて泣くとき
- エミリの小さな包丁
- 津軽百年食堂
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